AI活用ガイドライン

AIで作る、人で決める

生成AIは、ソフトウェア開発のあり方を大きく変えつつあります。株式会社realize(以下「当社」といいます)は、この変化を前提に開発を行っています。

本ガイドラインは、当社が生成AIをどのように使い、お客様の情報をどう扱い、品質をどのように担保しているのかをまとめたものです。当社の現在の運用を、そのまま公開します。

01基本方針 ― AIで作る、人で決める

生成AIは、いまや実装の主力になりつつあります。「AIの出力はあくまで下書きであり、人がすべてを書き直す」という前提は、すでに実態と合いません。生成されたコードの全行を人が読み切ることも、現実には難しくなっています。

そのうえで当社が「人で決める」と言うのは、すべてを人が読むという意味ではありません。次の2点を指しています。

  • 何を作り、何を採用し、何をリリースするか。その判断を人が行うこと。
  • 成果物に対する責任を、AIではなく当社が負うこと。

検証は、人手だけに頼らず仕組みで担保します。その具体は第5章に記載します。

02当社の立場

総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIに関わる事業者を「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」に区分しています。当社の立場は次のとおりです。

  • AI利用者:受託開発および自社開発において、生成AIを開発のツールとして利用する立場。当社の業務の大半はこれにあたります。
  • AI提供者:自社サービス、またはお客様向けの成果物にAI機能を組み込んで提供する場合の立場。

なお当社は、基盤モデルそのものの開発や学習は行っておらず、「AI開発者」には該当しません。本ガイドラインは、主に「AI利用者」としての運用を定めるものです。

03適用範囲

本ガイドラインは、当社の役員・従業員および業務委託先が、当社の業務において生成AIを利用する場合に適用されます。

04お客様の情報の取り扱い

生成AIの利用において、最も重大なリスクは情報の流出です。当社は次のとおり取り扱います。

  • お客様からお預かりした機密情報・個人情報は、事前の合意なく、外部の生成AIサービスへ入力しません。
  • 利用する場合も、入力した内容が事業者のモデル学習に利用されない設定・契約であることを条件とします。
  • 資格情報・鍵・個人を特定できる情報など、特に機微な情報は、合意の有無にかかわらず入力を避けます。

お客様が独自のAI利用規定やセキュリティ要件をお持ちの場合、それらが本ガイドラインに優先します。生成AIを使用しないようご指定いただいた場合、当該案件では使用しません。

05品質をどう担保するか

生成AIは、短時間に大量のコードを生成します。人がそのすべての行を読んで確認するという前提は、もはや現実的ではありません。当社は、その事実を前提に品質の担保のしかたを設計しています。

  • AIに任せられる検証は、AIに任せます。自動テスト、型チェック、静的解析、依存関係の脆弱性スキャンを開発プロセス(CI)に組み込み、AIによるコードレビューも併用します。生成量が増えても検証が追随する体制にしています。
  • 人は、AIが苦手とすること、AIに委ねられない判断に集中します。要件と設計、アーキテクチャ上の選択、外部ライブラリの採用可否、セキュリティ上重要な箇所、そしてリリースの可否。これらは人が確認し、判断します。
  • 「動くこと」と「正しいこと」は別です。テストが通ったことは、要件を満たしたことを意味しません。最終的な妥当性は人が判断します。

なお、生成AIは、実在しないライブラリを実在するかのように提案することがあります。外部ライブラリを採用する際には、実在性・提供元・ライセンスを確認します。

06AI生成物の権利と、保証の範囲

文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)によれば、AI生成物が既存の著作物の権利を侵害するかどうかは、「類似性」と「依拠性」によって個別に判断されます。当該著作物が学習データに含まれていた場合、利用者がその存在を認識していなくても依拠性が推認されうる、とされています。

そのため当社は、AI生成物が第三者の権利を侵害しないことを保証することはできません。侵害のリスクを完全に排除することは、現在の技術および法解釈のもとでは困難であるためです。当社は保証に代えて、次の確認を行っています。

  • 第三者の権利を侵害するおそれのある生成物は採用しません。
  • 依存ライブラリの実在性・提供元・ライセンスを確認します。
  • AI生成物には著作権が発生しない場合があります。成果物に関する権利の帰属および取り扱いは、お客様との個別の契約により定めます。

品質についても、本ガイドラインは、すべての生成物を網羅的に検証すること、および成果物に欠陥が存在しないことを保証するものではありません。ただし、成果物の品質に対する責任は、生成AIの利用の有無にかかわらず当社が負います

07開示と説明

お客様のご要望に応じ、当該案件における生成AIの利用の有無および活用範囲を、合理的な範囲でご説明します。当社の自社サービスにおいてAIが生成したコンテンツを提供する場合は、その旨を明示します。

生成AIを利用したことを理由に、品質および責任を回避することはありません。

08改訂とお問い合わせ

AIをめぐる技術・法令・社会的要請は急速に変化します。当社は本ガイドラインを継続的に見直し、必要に応じて改定します。改定後の内容は、本ページに掲載した時点から適用します。

なお、個別のお客様との契約・秘密保持契約・セキュリティ要件が本ガイドラインと異なる定めを置く場合には、当該定めが優先します。本ガイドラインは、当社の運用指針を示すものであり、契約に優先するものではありません。

本ガイドラインに関するご質問、当社の生成AI活用について詳しくお知りになりたい場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

参照した公的指針

  • 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」
  • 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)
  • 一般社団法人 日本ディープラーニング協会「生成AIの利用ガイドライン」

第1.0版 制定日:2026年7月14日

株式会社realize